5. Server Action の引数のvalidation
Server Action の引数の validation を行う
Server Action で受け取る引数は、かならずバリデーションを行うようにしましょう。
とくに typescript で実装していると引数に型があるので、引数は安全であると思いがちですが、実際にはそうではありません。
引数のバリデーションを行わなかった場合の問題点
実際に、引数のバリデーションを行わなかった場合の問題を体験してみましょう。
apps/workspace/app/actions.ts
に、簡単な関数を追加してみます。
apps/workspace/app/sum-button.tsx
を追加します。
最後に、apps/workspace/app/page.tsx
に <SumButton />
を追加します。
これで、画面に「足し算する」というボタンが表示されます。
このボタンをクリックすると、コンソールに 3
と表示されるはずです。
では、terminal からこの Server Action を呼び出したらどうなるでしょうか?
これを確かめるために、devtool の network タブから、server action のリクエストを curl としてコピーして実行してみましょう。
確認の仕方は少し複雑なので動画を見ながら確認してみてください。
-
devtool を開きます
-
network タブを開きます
-
画面の
足し算する
ボタンをクリックします -
reqeust を確認します
-
curl としてコピーします
ここまでで、clipboard に curl がコピーされました。
terminal に貼り付けて実行してみましょう。
下記のような結果が得られるはずです。
これのうち、1:3
の 3
が、sum
関数の結果です。
そこで、先ほどのcurlを少し変更してみましょう。
--data-raw
の部分を ["1","2"]
に変更してください。
結果はどうなるでしょうか?
1:"12"
となりました。文字列としての 1
と 2
を送った結果、"1" + "2"
の結果として、"12"
が返ってきました。
あらためて、sum の 引数を確認してみましょう。
実装上はnumber型ですが、実際にはクライアントから好きな値を送信することができます。
(typescript はただの静的な型の確認をしているだけで、validationなどは行いません。)
今回は文字列が連結されてしまうだけでしたが、ここで DB にアクセスするなどの処理を行っていた場合、セキュリティリスクが発生する可能性があります。
このことから、引数のバリデーションが重要であることがわかります。
今回追加した変更を削除する🧹
ここまで確認ができたら、今回追加した変更は不要なので削除しておきましょう。
action.ts から sum 関数を削除します
sum-button.tsx を削除します
page.tsx から SumButton を削除します
引数のバリデーションを行う
引数のバリデージョンは、お好きなライブラリで行うことができますが、ここでは zod
を使用します。
まずは、actions.ts にバリデーションを追加しましょう
authSchema.safeParse
でバリデーションを行い、成功した場合は parsedFormData.data
に、失敗した場合は parsedFormData.error
にエラー情報が格納されます。
parsedFormData.success
で成功か失敗かを判定できます。
この状態で、http://localhost:3000
にアクセスして、ログインフォームに下記のような値を入れてみてください。
- email:
foo@example
- password: "" // 何も入力しない
すると、画面にエラーメッセージが表示されるはずです。
これで、バリデーションが正常に動作していることが確認できました。
次は、画面にエラーメッセージを表示するように変更していきましょう。
まとめ
今回は、Server Action で引数のバリデーションを行う方法を学びました。
Server Action で受け取る引数は、かならずバリデーションを行うようにしましょう。
参考リンク
- Next.js v14 で Form validation を server 側で行う https://cam-inc.co.jp/p/techblog/859745503506595841